使役表現「〜게 하다」

韓国語の使役・受動表現
No.159
韓国語

日付:2025年5月2日

この記事は、韓国語で「〜させる」と表現する際の最も一般的な方法「動詞 + 게 하다」について解説します。「게 하다」は汎用的で多くの動詞に使用可能で、主語と目的語を明確にする必要があります。また、「게 만들다」「시키다」との使い分けにも触れています。次回は「시키다」について詳しく説明します。

目 次

はじめに

前回の記事では、「させる」「される」といった使役・受動表現が
なぜ日本語話者にとって難しいのかを解説しました。

今回は、使役表現の中でも基本となる「〜게 하다」について学びましょう。

「〜게 하다」とは?

韓国語で「〜させる」と言いたいとき、
最もよく使われる形が 「動詞 + 게 하다」 です。

この表現は、ある人が他の人に何かの行動を「させる」 ときに使います。

基本の形

KOREAN
[主語] + [目的語] + [動詞語幹] + 게 하다

例文を見てみましょう。

日本語韓国語
母が子どもを泣かせた엄마가 아이를 울게 했다
先生が生徒を立たせた선생님이 학생을 일어나게 했다
その話が私を笑わせた그 이야기가 나를 웃게 했다
  • 울다(泣く)→ 울게 하다(泣かせる)
  • 일어나다(立ち上がる)→ 일어나게 하다(立たせる)
  • 웃다(笑う)→ 웃게 하다(笑わせる)

このように、「게 하다」はとても汎用的で、どんな動詞にも使えます。

注意点:「誰が誰にさせたのか」をはっきりさせる

日本語では「立たせた」だけで、だれがだれに行動させたのかがなんとなく伝わりますが、
韓国語では主語と目的語をきちんと示す必要があります。

NG(曖昧):

학생을 일어나게 했다
→ 誰が立たせたのか不明

OK:

선생님이 학생을 일어나게 했다
→ 先生が生徒を立たせた

「게 만들다」「게 시키다」との違いは?

表現ニュアンス
게 하다最も一般的。中立的な「〜させる」아이를 울게 했다(子を泣かせた)
게 만들다「〜という状態にした」→ 少し強い印象그가 나를 울게 만들었다(彼が私を泣かせた)
시키다指示・命令してやらせるニュアンス일을 시켰다(仕事をさせた)

それぞれ似ていますが、使い分けで意味や印象が変わります。

よくある使い方・日常表現

  • 나를 걱정하게 하지 마세요.
    (私を心配させないでください)
  • 부모님이 나를 공부하게 하셨어요.
    (両親が私に勉強させました)
  • 저는 아이를 혼자 밥 먹게 해요.
    (私は子どもに一人でご飯を食べさせます)

まとめ

  • 「〜게 하다」=「〜させる」 の基本表現
  • ほとんどの動詞に使えて便利
  • 主語と目的語を明確にするのがポイント
  • 「시키다」「게 만들다」との違いにも注意

次回予告

第 3 回では、もうひとつの使役の形「시키다」について詳しく紹介します。
命令的な「させる」表現が知りたい方は、ぜひご覧ください。

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