ドラマで使われる使役・受動表現

韓国語の使役・受動表現
No.163
韓国語

日付:2025年5月2日

この文章では韓国語の使役・受動表現を取り上げ、特に感情表現や命令のニュアンスでの使い方を詳述しています。「게 하다」は感情を動かす表現に頻出し、自然な翻訳を心掛けるポイントも紹介。ドラマなどでの実用例も挙げ、表現の違いも解説しています。

目 次

はじめに

ここまでの回では、使役(〜させる)・受動(〜される)表現の文法を整理してきました。
今回は、それらが実際の会話やドラマでどのように使われているかを見ていきましょう。

■ 感情表現でよく使われる「게 하다」

日常会話では、感情や気持ちを動かすときに「〜게 하다」が頻繁に使われます。

韓国語日本語訳
그 말이 나를 기쁘게 했어요.その言葉が私を嬉しくさせました。
그 영화가 사람들을 울게 했어요.その映画が人々を泣かせました。
선생님의 말이 저를 용기 나게 했어요.先生の言葉が私に勇気を与えました。

→ 日本語でも「〜させた」と言うより、「〜にした」「〜という気持ちになった」と訳すと自然ですね。

ドラマによく出る表現

① 命令のニュアンス(시키다)

KOREAN
상사가 나에게 야근을 시켰어요. → 上司が私に残業をさせました。
  • 会社・上下関係でよく使われます。
  • 相手の意思に関係なく「やらせる」感じが強いです。

② 感情の誘導(게 하다)

KOREAN
그 사람이 자꾸 저를 불안하게 해요. → その人が私をずっと不安にさせるんです。
  • ドラマで恋人関係や家族間の感情表現によく出ます。

③ 意味は受け身?慣用句で使われる「먹다」

KOREAN
욕을 먹었어요.(욕=悪口) → 悪口を言われました。
  • 먹다(食べる)+名詞で、比喩的に「受け身の被害」を表す表現が多く存在します。
  • 「욕을 먹다(悪口を食べる)」=「悪口を言われる」など。
  • 文法的には受動形ではありませんが、意味としては「〜された」や「被害を受けた」 に近い使い方です。

自然な表現を身につけよう:会話の応用例

シチュエーション韓国語意味
子どもが親に叱られた엄마한테 혼났어요.母に怒られました。
課題をやらされた과제를 억지로 시켰어요.無理やり課題をさせられました。
自分で決めたのではなく、そうさせられた그렇게 하게 됐어요.そうすることになりました。

「게 하다」 vs 「하게 되다」の違いにも注意

  • 게 하다:外からの「意図的な作用」→「〜させる」
  • 하게 되다:状況・流れによって自然にそうなる →「〜することになる」

例:

  • 부모님이 공부하게 했어요.(親が勉強させた)
  • 상황이 그렇게 되어서 공부하게 됐어요.(状況的にそうなった)

まとめ

  • 韓国語の使役・受動は日常会話でもよく使われる
  • 感情を動かす表現(불안하게 하다、기쁘게 하다)はとても自然
  • 시키다 は命令的な印象、게 하다 はやや柔らかい
  • 받다や 하게 되다 も受動・誘導的な意味をもつ
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