売掛金・買掛金と未収金・未払金の違いとは?

簿記・会計の基礎

日付:2025年2月4日

売掛金・買掛金と未収金・未払金の違いについて、会計上の分類と具体例を交えて解説します。

目 次

はじめに

経理・会計では、取引の性質に応じて「売掛金・買掛金」や「未収金・未払金」といった勘定科目を使い分けます。

よく混同されるこれらの科目ですが、
売掛金・買掛金は本業の売上・仕入に関する取引
未収金・未払金は本業以外の取引(事業維持の費用や収益)に関する取引
という明確な違いがあります。

本記事では、それぞれの意味と具体例を交えて解説します。

1. 売掛金・買掛金とは?(本業の取引に関連)

① 売掛金とは?(資産)

企業が本業の製品・商品を販売し、代金を後払いで受け取る権利 を指します。

具体例:売掛金の発生

  • 小売店が商品を販売し、代金を翌月回収する売掛金 として計上
  • 制作会社がホームページ制作を納品し、請求書を発行(支払いは翌月)売掛金

仕訳例

(取引発生時) 借方(資産):売掛金 500,000円 貸方(収益):売上 500,000円 (入金時) 借方(資産):現金 500,000円 貸方(資産):売掛金 500,000円

② 買掛金とは?(負債)

企業が本業の仕入れを行い、代金を後払いで支払う義務 を指します。

具体例:買掛金の発生

  • 飲食店が食品材料を仕入れ、翌月支払いを行う買掛金 として計上
  • 製造業が部品を仕入れ、支払いを翌月にする買掛金

仕訳例

(仕入時) 借方(費用):仕入 300,000円 貸方(負債):買掛金 300,000円 (支払い時) 借方(負債):買掛金 300,000円 貸方(資産):現金 300,000円

売掛金・買掛金は、本業の売上・仕入に関連する取引で発生する資産・負債です。

2. 未収金・未払金とは?(本業以外の取引に関連)

① 未収金とは?(資産)

売掛金以外の未回収の収益 であり、企業の本業とは直接関係のない取引で発生します。

具体例:未収金の発生

  • 会社が固定資産(車両や機械)を売却し、代金の回収が翌月になる未収金
  • 保険金の請求を行い、受け取りが翌月になる未収金

仕訳例

(取引発生時) 借方(資産):未収金 800,000円 貸方(収益):固定資産売却益 800,000円 (入金時) 借方(資産):現金 800,000円 貸方(資産):未収金 800,000円

② 未払金とは?(負債)

買掛金以外の未払いの費用 であり、企業の本業とは直接関係のない取引で発生します。

具体例:未払金の発生

  • オフィスのパソコンや備品を購入し、支払いを翌月にする未払金
  • 広告費・設備投資の支払いを翌月にする未払金

仕訳例

(購入時) 借方(資産):備品 100,000円 貸方(負債):未払金 100,000円 (支払い時) 借方(負債):未払金 100,000円 貸方(資産):現金 100,000円

未収金・未払金は、本業以外の取引(固定資産売却、広告費、設備投資など)で発生する資産・負債です。

3. 売掛金・買掛金と未収金・未払金の違いを整理

項目本業の売上・仕入(商品・製品の取引)本業以外(事業維持の費用・収益)
資産(受取側)売掛金(商品・製品の未回収代金)未収金(固定資産売却代金、保険金未収など)
負債(支払側)買掛金(仕入の未払い代金)未払金(広告費・設備代などの未払い分)

売掛金・買掛金は本業に関する取引、未収金・未払金は本業以外の取引で発生する資産・負債であることがポイント!

4. まとめ

売掛金・買掛金とは?

  • 売掛金 = 本業の売上に関する未回収代金(資産)
  • 買掛金 = 本業の仕入れに関する未払い代金(負債)

未収金・未払金とは?

  • 未収金 = 本業以外の未回収代金(固定資産売却、保険金など)
  • 未払金 = 本業以外の未払い代金(広告費、設備投資など)