連結会計の基礎

簿記・会計の基礎

日付:2025年2月20日

連結財務諸表の目的と作成プロセス、親会社・子会社・関連会社の違い、連結精算表の基本的な流れを解説します。

目 次

はじめに

企業がグループ経営を行う場合、個別財務諸表だけでなく、連結財務諸表を作成する必要があります
連結会計の目的は、グループ全体の経営状況を正確に把握し、ステークホルダーに適切な財務情報を提供することです。

この記事で学べること

  • 連結会計の目的と必要性
  • 親会社・子会社・関連会社の違い
  • 連結精算表の基本的な流れ

本記事では、連結会計の基礎 をわかりやすく解説します。

1. 連結財務諸表とは?

連結財務諸表は、企業グループ全体の財務状況を 1 つの企業として表示する財務諸表 です。
親会社と子会社の財務諸表を合算し、グループ全体の経営成績を明確に示します

📌 連結財務諸表の目的

  • グループ全体の実態を反映
  • ステークホルダー(投資家・金融機関など)への透明性向上
  • グループ経営の意思決定に役立つ

📌 連結財務諸表の種類

  • 連結貸借対照表(B/S)
  • 連結損益計算書(P/L)
  • 連結キャッシュ・フロー計算書(C/F)

2. 親会社・子会社・関連会社の違い

企業グループの構成要素として、親会社・子会社・関連会社 の区分を理解することが重要です。

分類定義支配・影響の範囲
親会社他の企業(子会社)を支配議決権の 50%以上保有
子会社親会社に支配される議決権の 50%以上を親会社が持つ
関連会社親会社が重要な影響 を与える議決権の 20%以上 50%未満

支配とは?

  • 子会社に対する支配 は、親会社が子会社の意思決定をコントロールできることを意味します。
  • 関連会社への影響 は、子会社ほど強くないが、財務や経営に一定の影響力を持つことを指します。

3. 連結精算表の基本的な流れ

連結会計では、親会社と子会社の財務諸表を単純に合算するのではなく、内部取引の消去や投資と資本の相殺 を行う必要があります。

📌 連結精算表の作成手順

  1. 親会社・子会社の個別財務諸表を集計
  2. 投資と資本の相殺消去(親会社の子会社投資額と子会社の資本を相殺)
  3. 内部取引・債権債務の消去(親会社と子会社間の取引を相殺)
  4. 未実現利益の消去(グループ内での在庫取引などの利益調整)
  5. 少数株主持分の計算(親会社が 100%保有していない場合の調整)
  6. 連結財務諸表の作成(B/S、P/L、C/F の完成)

📌 仕訳例(投資と資本の相殺消去)

[親会社の仕訳] (借方) 子会社株式 500,000円 / (貸方) 現金 500,000円 [子会社の仕訳] (借方) 現金 500,000円 / (貸方) 資本金 500,000円 [連結仕訳] (借方) 資本金 500,000円 / (貸方) 子会社株式 500,000円

この仕訳により、親会社の投資額と子会社の資本が相殺され、連結財務諸表に適切に反映されます。

4. まとめ

  • 連結財務諸表とは?グループ全体の財務状況を統合した財務諸表
  • 親会社・子会社・関連会社の違い支配権や議決権割合に基づく区分
  • 連結精算表の作成手順投資と資本の相殺・内部取引の消去などを行う

連結会計を適切に理解し、企業グループの財務状況を正確に把握することが重要です。