会計上の見積もり変更と誤謬訂正

簿記・会計の基礎

日付:2025年2月20日

会計上の見積もり変更と誤謬訂正の違い、会計処理の仕訳例、財務諸表への影響について解説します。

目 次

はじめに

企業会計において、会計上の見積もり変更誤謬訂正 は、財務諸表の正確性を維持するために重要な要素です。
これらの処理を適切に行うことで、企業の財務情報の信頼性を確保できます。

この記事で学べること

  • 会計上の見積もり変更と誤謬訂正の違い
  • それぞれの会計処理の仕訳例
  • 財務諸表への影響

本記事では、会計上の見積もり変更と誤謬訂正 について詳しく解説します。

1. 会計上の見積もり変更とは?

会計上の見積もり変更とは、過去の見積もりが変更されることで財務諸表の数値が変わる処理 を指します。
新たな情報や状況の変化に応じて修正が必要となります。

📌 見積もり変更の具体例

  • 減価償却方法や耐用年数の変更
  • 貸倒引当金の見直し
  • 退職給付引当金の変更

📌 見積もり変更の処理方法

  • 過去の財務諸表を修正しない
  • 変更が発生した時点から適用(将来適用)

2. 見積もり変更の仕訳例

📌 例:減価償却方法の変更(定額法 → 定率法)

(借方) 減価償却費 120,000円 / (貸方) 減価償却累計額 120,000円
  • 新しい見積もりを基に、今後の会計処理を行う。
  • 過去の財務諸表は修正しない。

3. 誤謬訂正とは?

誤謬訂正とは、過去の財務諸表における誤りを発見し、それを修正する処理 です。
誤りには、計算ミス、適用基準の誤り、会計方針の誤適用などが含まれます。

📌 誤謬訂正の具体例

  • 売上の過大・過少計上
  • 費用の計上漏れ
  • 誤った会計処理(例:資産計上すべきものを費用計上していた)

📌 誤謬訂正の処理方法

  • 過去の財務諸表を修正(遡及適用)
  • 訂正仕訳を計上

4. 誤謬訂正の仕訳例

📌 例:前期の売上を 100,000 円過大計上していた場合

(借方) 繰越利益剰余金 100,000円 / (貸方) 売上 100,000円
  • 過去の財務諸表を修正する(遡及適用)。
  • 訂正仕訳を計上して適正な数値にする。

5. 見積もり変更と誤謬訂正の違い

項目会計上の見積もり変更誤謬訂正
原因新たな情報の取得過去の誤りの修正
処理方法将来適用遡及適用(過去修正)
財務諸表への影響修正後の期間のみ適用過去の財務諸表を修正

6. まとめ

  • 会計上の見積もり変更とは?過去の見積もりを修正し、将来適用する処理
  • 誤謬訂正とは?過去の誤りを発見し、遡及適用で修正する処理
  • 仕訳処理の違い見積もり変更は過去修正せず、誤謬訂正は遡及適用

適切な会計処理を行い、財務諸表の正確性を確保することが重要です。