三角比の基本

三角関数の基礎
No.536
数学

日付:2025年3月13日

三角関数は数学や物理学、エンジニアリングの分野で広く使われる重要な概念です。まずは、三角関数の最も基本的な概念である「三角比」について解説します。

目 次

1. はじめに

三角関数は数学や物理学、エンジニアリングの分野で広く使われる重要な概念です。
本シリーズでは、三角関数の基本から応用までを、数式と Python を活用しながら学んでいきます。

まずは、三角関数の最も基本的な概念である「三角比」について解説します。

2. 三角比とは?

三角比とは、直角三角形の辺の比を用いて定義される関数のことです。
直角三角形の一つの角を θ\theta とすると、以下のように定義されます。

基本の三角比

三角比には、次の 3 つの基本的な関数があります。

  • サイン(sin): sinθ=対辺斜辺\sin\theta = \frac{\text{対辺}}{\text{斜辺}}
  • コサイン(cos): cosθ=隣辺斜辺\cos\theta = \frac{\text{隣辺}}{\text{斜辺}}
  • タンジェント(tan): tanθ=対辺隣辺\tan\theta = \frac{\text{対辺}}{\text{隣辺}}

これらの関数を使うことで、角度と長さの関係を簡単に計算できます。

3. 三角比の具体例

例えば、次のような直角三角形を考えます。

  • 斜辺の長さ: 5
  • 対辺の長さ: 3
  • 隣辺の長さ: 4

このとき、角 θ\theta の三角比は次のように計算できます。

sinθ=35=0.6\sin\theta = \frac{3}{5} = 0.6 cosθ=45=0.8\cos\theta = \frac{4}{5} = 0.8 tanθ=34=0.75\tan\theta = \frac{3}{4} = 0.75

4. Python を使った三角比の計算

Python の math モジュールを使って、三角比を計算できます。

PYTHON
import math # 角度(度数法)をラジアンに変換 angle_deg = 36.87 # 例: 36.87度(実際に atan(3/4) で計算できる値) angle_rad = math.radians(angle_deg) # 三角比の計算 sin_val = math.sin(angle_rad) cos_val = math.cos(angle_rad) tan_val = math.tan(angle_rad) print(f"sin({angle_deg}) = {sin_val}") print(f"cos({angle_deg}) = {cos_val}") print(f"tan({angle_deg}) = {tan_val}")

このコードを実行すると、sin\sincos\costan\tan の値が得られます。

実行結果

sin(36.87) = 0.6000014291326625 cos(36.87) = 0.7999989281485086 tan(36.87) = 0.7500027912803411

5. まとめ

本記事では、三角関数の基本である「三角比」について学びました。

  • 三角比は直角三角形の辺の比で定義される
  • sin\sin, cos\cos, tan\tan の 3 つの関数がある
  • Python を使えば、簡単に三角比を計算できる