三角関数は、波の運動、振動、電気回路、建築、信号処理など、さまざまな分野で重要な役割を果たしています。本記事では、その具体的な応用例を Python のコードとともに紹介します。
これまでの記事では、三角関数の基本的な定義や公式について学んできました。
今回は、三角関数がどのように実際の世界で使われているのか、物理や工学の観点から解説します。
三角関数は、波の運動、振動、電気回路、建築、信号処理など、さまざまな分野で重要な役割を果たしています。
本記事では、その具体的な応用例を Python のコードとともに紹介します。
サイン波は、振動や波の運動を記述するのに使われる最も基本的な波形です。
一般的なサイン波の式は次のように表されます。
Python を使ってサイン波をプロットしてみましょう。
PYTHONimport numpy as np import matplotlib.pyplot as plt # パラメータ設定 A = 1 # 振幅 f = 1 # 周波数(Hz) phi = 0 # 位相 T = 2 # 時間の範囲(秒) # 時間軸を作成 t = np.linspace(0, T, 1000) # サイン波の計算 y = A * np.sin(2 * np.pi * f * t + phi) # グラフ描画 plt.plot(t, y, label='Sine Wave') plt.axhline(0, color='black', linewidth=1) plt.xlabel('Time (s)') plt.ylabel('Amplitude') plt.title('Sine Wave') plt.legend() plt.show()
このグラフを見ると、時間とともに振動するサイン波の形が確認できます。
三角関数は信号処理の分野でも広く活用されています。
特にフーリエ変換は、複雑な波形をサイン波とコサイン波の組み合わせで表現する ために使われます。
Python を使って、簡単なフーリエ変換を実行してみましょう。
PYTHONmport numpy as np import matplotlib.pyplot as plt from scipy.fft import fft, fftfreq # サンプリング設定(400Hz に設定して正しいピークを取得) N = 1000 # サンプル数 T = 1.0 / 400.0 # サンプリング間隔(400 Hz) # 時間軸 t = np.linspace(0.0, N*T, N, endpoint=False) # フーリエ変換 yf_single = fft(signal_single) xf = fftfreq(N, T)[:N//2] # 50Hz + 80Hz のサイン波 signal_mixed = np.sin(2.0*np.pi*50.0*t) + 0.5*np.sin(2.0*np.pi*80.0*t) # フーリエ変換 yf_mixed = fft(signal_mixed) # 50Hz と 80Hz のサイン波のフーリエ変換をプロット plt.figure(figsize=(6, 4)) plt.plot(xf, 2.0/N * np.abs(yf_mixed[:N//2]), color='red') plt.xlabel('Frequency (Hz)') plt.ylabel('Amplitude') plt.title('Fourier Transform of a Mixed Signal (50Hz & 80Hz)') plt.show()
このコードでは、50Hz と 80Hz の 2 つの周波数成分を持つ信号をフーリエ変換し、周波数スペクトルを表示しています。
電気回路では、交流電流(AC)の振る舞いを記述するために三角関数が使われます。
交流の基本式は次のようになります。
この式を使って、2 つの異なる位相を持つ交流波形をプロットしてみましょう。
PYTHON# パラメータ設定 V0 = 5 # 最大電圧 (V) phi1 = 0 # 波1の位相 phi2 = np.pi / 4 # 波2の位相 # 交流電圧の計算 V1 = V0 * np.cos(2 * np.pi * f * t + phi1) V2 = V0 * np.cos(2 * np.pi * f * t + phi2) # グラフ描画 plt.plot(t, V1, label='Voltage 1 (φ=0)') plt.plot(t, V2, label='Voltage 2 (φ=π/4)', linestyle='dashed') plt.xlabel('Time (s)') plt.ylabel('Voltage (V)') plt.title('AC Voltage with Phase Shift') plt.legend() plt.show()
このグラフを見ると、位相がずれた 2 つの交流電圧の関係が視覚的に確認できます。
本記事では、三角関数の応用について学びました。
回 | タイトル | リンク |
---|---|---|
第 1 回 | 三角比の基本 | 詳 細 |
第 2 回 | 単位円と三角関数 | 詳 細 |
第 3 回 | 三角関数のグラフ | 詳 細 |
第 4 回 | 三角関数の基本公式 | 詳 細 |
第 5 回 | 「ラジアン」について | 詳 細 |
第 6 回 | 三角関数の応用(物理・工学) | この記事 |
第 7 回 | フーリエ級数と三角関数 | 詳 細 |
第 8 回 | フーリエ変換とその応用 | 詳 細 |
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