フーリエ級数は、物理やエンジニアリング、信号処理の分野で広く使われており、複雑な波形をサイン波とコサイン波の組み合わせで表す強力な手法です。Python を使ってフーリエ級数の可視化も行います。
前回の記事では、三角関数の応用として波動や信号処理における役割を学びました。
今回は、フーリエ級数 という概念を紹介し、三角関数を使って周期的な関数を表現する方法について解説します。
フーリエ級数は、物理やエンジニアリング、信号処理の分野で広く使われており、複雑な波形をサイン波とコサイン波の組み合わせで表す 強力な手法です。
Python を使ってフーリエ級数の可視化も行います。
フーリエ級数とは、ある周期関数 を三角関数の無限級数で近似する方法です。
基本的な形は次のようになります。
ここで:
これを使うと、どんな複雑な周期関数も、サイン波とコサイン波の和として表現できます。
フーリエ級数の強力さを示すために、矩形波(square wave)を例に考えます。
矩形波は以下のように定義される周期関数です。
この関数は、次のフーリエ級数で近似されます。
Python でこの近似を視覚化してみましょう。
PYTHONimport numpy as np import matplotlib.pyplot as plt # x 軸の範囲 x = np.linspace(-np.pi, np.pi, 400) # フーリエ級数の計算 N = 10 # 近似に使う項数 f_approx = np.zeros_like(x) for n in range(1, N*2, 2): # 1, 3, 5, ... N個の奇数項 f_approx += (4 / (n * np.pi)) * np.sin(n * x) # 矩形波の理想的な形状 square_wave = np.sign(np.sin(x)) # グラフの描画 plt.figure(figsize=(6, 4)) plt.plot(x, f_approx, label=f'Fourier Approximation (N={N})', color='blue') plt.plot(x, square_wave, label='Ideal Square Wave', color='red', linestyle='dashed') plt.xlabel('x') plt.ylabel('Amplitude') plt.title('Fourier Series Approximation of a Square Wave') plt.legend() plt.show()
このコードを実行すると、フーリエ級数が矩形波にどのように近づいていくかが視覚的に確認できます。
フーリエ級数は、以下のような分野で幅広く使われています。
本記事では、フーリエ級数の基本的な概念と、その応用例について学びました。
回 | タイトル | リンク |
---|---|---|
第 1 回 | 三角比の基本 | 詳 細 |
第 2 回 | 単位円と三角関数 | 詳 細 |
第 3 回 | 三角関数のグラフ | 詳 細 |
第 4 回 | 三角関数の基本公式 | 詳 細 |
第 5 回 | 「ラジアン」について | 詳 細 |
第 6 回 | 三角関数の応用(物理・工学) | 詳 細 |
第 7 回 | フーリエ級数と三角関数 | この記事 |
第 8 回 | フーリエ変換とその応用 | 詳 細 |
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