p 型と n 型をくっつけると「電流が一方向だけに流れる」? pn 接合と空乏層のしくみをわかりやすく解説します。
前回は、n 型・p 型半導体とそれを生み出すドーピングのしくみを学びました。
今回は、それらを接合(くっつける) すると何が起きるのか、そして 「電流を一方向に流す」 という半導体ならではの機能に迫ります。
n 型半導体と p 型半導体を接合すると、pn 接合(junction) と呼ばれる構造になります。
この接合部分では、n 型の自由電子と p 型の正孔が互いに引き寄せ合い、拡散が起こります。
結果として:
このようにして、接合部に電界(内蔵電界)が生まれ、拡散が止まるのです。
電荷が偏った領域では、キャリアが存在しない“空っぽの領域”ができます。
これを空乏層(depletion layer) と呼びます。
つまり、電流が流れるようになる
このように、pn 接合は電流を一方向にだけ流す「整流作用」 を持ちます。
これがダイオードの基本的な動作です。
pn 接合ダイオードの典型的な I-V カーブは:
この非対称性が整流のカギです。
(n 型・p 型の接合、空乏層の形成、電圧による変化など)
次回は、この pn 接合を利用した「ダイオード」 の動作や応用例(整流回路や LED)について、より詳しく見ていきます。
回 | タイトル | リンク |
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第 1 回 | 半導体って何? | 詳 細 |
第 2 回 | 電気が流れる仕組み | 詳 細 |
第 3 回 | 半導体材料とその種類 | 詳 細 |
第 4 回 | n 型・p 型半導体とドーピング | 詳 細 |
第 5 回 | pn 接合と整流作用 | この記事 |
第 6 回 | ダイオードのしくみとその応用 | 詳 細 |
第 7 回 | 太陽電池と光センサのしくみ | 詳 細 |
第 8 回 | トランジスタの基礎 | 詳 細 |
第 9 回 | CMOS 回路と省電力のしくみ | 詳 細 |
第 10 回 | 集積回路とは何か? | 詳 細 |
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