逆行列の基本概念、数学的な定義、具体例、計算方法について解説し、Python を用いた計算例も紹介します。
逆行列(Inverse Matrix)は、線形代数における重要な概念の一つです。
逆行列は、行列の「逆数」と考えることができ、行列を用いた方程式の解法や、データサイエンス、コンピュータグラフィックスなどの応用において広く使われます。
本記事では、逆行列の基本概念、数学的な定義、具体例、計算方法を解説し、Python を用いた計算例を紹介します。
逆行列とは、ある行列 に対して、以下の関係を満たす行列 のことを指します。
ここで、 は単位行列(Identity Matrix)です。
逆行列は、正方行列()のみに定義される ため、非正方行列には一般的な逆行列は存在しません。
逆行列を求める方法はいくつかあります。
2×2 の行列 の逆行列は、以下の公式で求められます。
その逆行列は、行列式 を用いて次のように計算できます。
ただし、行列式が 0 の場合、逆行列は存在しない ことに注意が必要です。
3×3 以上の行列の逆行列は、以下の方法で求めることができます。
この方法を用いることで、一般的な正方行列の逆行列を求めることができます。
Python の numpy
ライブラリを用いると、逆行列を簡単に求めることができます。
PYTHONimport numpy as np # 2×2 行列 A = np.array([[3, 2], [1, 4]]) # 逆行列の計算 A_inv = np.linalg.inv(A) print("逆行列:") print(A_inv)
PYTHON# 3×3 行列 B = np.array([[2, -1, 3], [1, 0, -2], [4, 1, 1]]) # 逆行列の計算 B_inv = np.linalg.inv(B) print("逆行列:") print(B_inv)
PYTHON# 行列式が 0 の場合(特異行列) C = np.array([[1, 2], [2, 4]]) det_C = np.linalg.det(C) if np.isclose(det_C, 0): print("この行列は特異行列であり、逆行列を持ちません。") else: C_inv = np.linalg.inv(C) print("逆行列:") print(C_inv)
行列 は 行列式が 0 のため、逆行列は存在しません。
逆行列には、以下のような重要な性質があります。
逆行列は、データ解析、機械学習、コンピュータグラフィックスなど、多くの分野で利用されています。
回 | タイトル | リンク |
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第 1 回 | 数学における「線形」とは? | 詳 細 |
第 2 回 | 「ベクトル」と「行列」の違い | 詳 細 |
第 3 回 | 「行列積(ドット積)」について | 詳 細 |
第 4 回 | 「クロス積(外積)」について | 詳 細 |
第 5 回 | 「ドット積」と「クロス積」の比較 | 詳 細 |
第 6 回 | 線形代数における「直交」 | 詳 細 |
第 7 回 | 「線形変換」について | 詳 細 |
第 8 回 | 「逆行列」について | この記事 |
第 9 回 | 「行列式」について | 詳 細 |
第 10 回 | 「固有ベクトル」と「固有値」 | 詳 細 |
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