証券取引の基本(注文方法・決済)

株式市場の基礎

日付:2025年3月14日

証券取引とは、投資家が証券(株式や債券など)を売買する行為を指します。証券取引所やオンライン証券会社を通じて行われ、一定のルールのもとで取引が成立します。

目 次

はじめに

前回は株式市場の主要な参加者について解説しました。
今回は、証券取引の基本として、注文方法や決済の仕組みを説明します。

証券取引とは?

証券取引とは、投資家が証券(株式や債券など)を売買する行為を指します。
証券取引所やオンライン証券会社を通じて行われ、一定のルールのもとで取引が成立します。

証券取引には以下の基本的な要素があります。

  • 注文方法:どのように株を売買するか
  • 決済方法:取引が完了するまでのプロセス
  • 市場の種類:取引が行われる市場の違い

注文方法の種類

証券取引では、投資家が希望する条件に応じたさまざまな注文方法が用意されています。

1. 成行注文(マーケットオーダー)

特徴:

  • 価格を指定せず、市場で最も有利な価格で即座に注文を成立させる。
  • 取引のスピードが優先される。

メリット:

  • すぐに取引が成立する。
  • 短期トレードや素早いポジションの調整に適している。

デメリット:

  • 市場の変動によって、思ったよりも高い(または低い)価格で約定する可能性がある。

2. 指値注文(リミットオーダー)

特徴:

  • 投資家が希望する価格を指定して注文を出す。
  • 指定した価格に到達しない限り、取引は成立しない。

メリット:

  • 望んだ価格で売買できる。
  • 価格変動に慎重な投資家に向いている。

デメリット:

  • 価格に到達しなければ取引が成立しない。
  • すぐに取引を完了させたい場合には向かない。

3. 逆指値注文(ストップオーダー)

特徴:

  • 一定の価格に達したら、自動的に成行注文が発動する。
  • 主に損切り(ロスカット)や利益確定のために使用される。

メリット:

  • 急激な価格変動から資産を守る。
  • 利益確定や損失の最小化に活用できる。

デメリット:

  • 市場が急変した場合、想定より不利な価格で約定する可能性がある。

4. トレーリングストップ注文

特徴:

  • 逆指値注文の一種で、株価の変動に応じてストップ価格が自動的に調整される。
  • 一定の利益を確保しつつ、損失を抑える仕組み。

メリット:

  • 相場の上昇に追随しつつ、下落時には損失を最小限に抑える。

デメリット:

  • 短期的な変動で注文が発動し、早めに利益確定してしまうこともある。

決済の仕組み

証券取引では、売買の成立後に「決済」という手続きが必要です。

1. 受渡日(T+2 ルール)

特徴:

  • 日本の株式市場では、取引が成立した日(T)から 2 営業日後(T+2)に決済が行われる。
  • 購入者は T+2 までに資金を用意し、売却者は T+2 までに株式を引き渡す。

2. 決済機関の役割

主要な決済機関:

  • 証券取引所:売買注文をマッチングさせる。
  • 証券会社:投資家の注文を市場に流す。
  • 日本証券クリアリング機構(JSCC):取引の最終的な決済を保証する。

3. 買付余力と信用取引

  • 買付余力
    投資家が現在の資金でどれだけの株を購入できるかを示す。
  • 信用取引
    証券会社から資金や株式を借りて取引する方法。レバレッジを利用できるが、リスクも高い。

市場の種類

証券取引は、取引所市場と店頭市場(OTC 市場)の 2 つの主要な市場で行われます。

1. 取引所市場

  • 東京証券取引所(TSE)、ニューヨーク証券取引所(NYSE)など。
  • 売買が公正に行われるように厳しく規制されている。

2. 店頭市場(OTC 市場)

  • 証券会社や投資銀行が仲介して行う取引。
  • 取引所に上場していない株式や債券が取引される。

まとめ

証券取引にはさまざまな注文方法や決済の仕組みがあり、それぞれの特徴を理解することで、より効果的な投資が可能になります。
次回は「株式投資の基本戦略」について解説します。