オプション取引の基礎

株式市場の基礎

日付:2025年3月14日

オプション取引とは、特定の資産(株式など)を将来の特定の日までに、あらかじめ決められた価格で売買する権利を取引する金融商品です。

目 次

はじめに

前回はテクニカル分析の基礎について解説しました。
今回は、株式市場における「オプション取引」の基本概念について説明します。

オプション取引とは?

オプション取引とは、特定の資産(株式など)を 将来の特定の日までに、あらかじめ決められた価格で売買する権利 を取引する金融商品です。

ポイント:

  • 権利を買う取引であり、義務ではない。
  • 将来の価格変動を予測し、利益を狙う。
  • 株式と異なり、少額の資金で大きなリターンを得ることが可能(レバレッジ効果)。

2 種類のオプション

オプションには以下の 2 種類があります。

1. コールオプション(Call Option)

  • 買う権利(Buy Right)
  • 特定の資産を特定の価格(行使価格)で買う権利を持つ。
  • 株価が上がると利益が出る。

例:

  • 現在の株価: 100 ドル
  • コールオプションの行使価格: 110 ドル
  • 株価が 120 ドルに上昇 → 利益確定(110 ドルで買って 120 ドルで売れる)
  • 株価が 105 ドル → オプションを行使しない(市場価格の方が安いため)

2. プットオプション(Put Option)

  • 売る権利(Sell Right)
  • 特定の資産を特定の価格で売る権利を持つ。
  • 株価が下がると利益が出る。

例:

  • 現在の株価: 100 ドル
  • プットオプションの行使価格: 90 ドル
  • 株価が 80 ドルに下落 → 利益確定(90 ドルで売る権利がある)
  • 株価が 95 ドル → オプションを行使しない(市場価格の方が高いため)

オプション取引の主要な要素

1. プレミアム(Premium)

  • オプションを購入する際に支払う費用。
  • コールやプットの「権利」を得るためのコスト。

2. 行使価格(Strike Price)

  • オプション契約で決められた、資産を売買できる価格。

3. 満期日(Expiration Date)

  • オプションを行使できる期限。
  • 満期を過ぎるとオプションは無価値になる。

4. イン・ザ・マネー(ITM)、アウト・オブ・ザ・マネー(OTM)

  • ITM(利益が出る状態):
    • コールオプション → 株価 > 行使価格
    • プットオプション → 株価 < 行使価格
  • OTM(価値がない状態):
    • コールオプション → 株価 < 行使価格
    • プットオプション → 株価 > 行使価格

オプション取引の戦略

1. カバードコール戦略(Covered Call)

  • 株を保有しながら、コールオプションを売ることでプレミアムを獲得。
  • 株価が大きく上昇しない場合に適した戦略。

2. プット売り戦略(Cash-Secured Put)

  • 株を購入する準備がある投資家がプットオプションを売る。
  • 株価が一定以上ならプレミアムを受け取れる。

3. ストラドル戦略(Straddle)

  • コールとプットの両方を同じ行使価格・満期で買う。
  • 株価が大きく変動すると利益が出る。

4. ストラングル戦略(Strangle)

  • コールとプットを異なる行使価格で買う。
  • 変動が大きい相場で利用。

オプション取引のメリット・デメリット

メリット

  • ✅ 少額の投資で大きなリターンを狙える。
  • ✅ ヘッジ(リスク回避)として活用できる。
  • ✅ 相場の変動に柔軟に対応できる。

デメリット

  • ❌ 満期までに期待通りの動きがなければオプションが無価値になる。
  • ❌ 価格の変動が大きく、リスクが高い。
  • ❌ プレミアムのコストがかかる。

まとめ

オプション取引はリスクとリターンが大きい投資手法ですが、適切に活用すれば利益を得るチャンスを広げることができます。
次回は「ストックオプションと企業経営」について解説します。