カフェ経営における変動費(材料費)と売上の関係を解説。売上に対する費用割合や利益計算の方法、Python を使った簡易シミュレーションも紹介します。
前回は、売上に関係なく必ずかかる「固定費」について解説しました。
今回は、売上や来客数に応じて増減する「変動費」について見ていきましょう。
カフェ経営では主に「材料費(食材費)」がこれに該当します。
変動費は、売上に比例してかかる費用ですので、「売上が増えれば増えるほど、変動費も増える」特徴があります。
この関係性をしっかり把握することで、より現実的な利益計算ができるようになります。
たとえば、1 杯のコーヒーを提供するのにかかる材料費(原価)が 100 円だとします。
もし 1 日 30 杯を売った場合、材料費は以下のように計算されます:
1日の材料費 = 100円 × 30杯 = 3,000円
この材料費は、売上と連動して増減します。
これを「変動費」として収益モデルに組み込みます。
一般的に、変動費は売上に対する一定の割合で表されます。
この割合を「変動費率」と呼びます。
例:材料費が売上の 30%に相当する場合
変動費 = 売上 × 0.3
たとえば、月間売上が 50 万円の場合:
変動費 = 50万円 × 0.3 = 15万円
この 15 万円は、売上に比例してかかる費用であり、これを差し引いて利益を計算する必要があります。
月間固定費が 30 万円、変動費率が 30%とした場合、利益は以下の式で表されます:
利益 = 売上 − 固定費 − 変動費 = 売上 − 30万円 − (売上 × 0.3) = 売上 × 0.7 − 30万円
この式から、「売上がいくらなら利益が出るか」を計算できます。
売上 × 0.7 − 30万円 = 10万円 → 売上 × 0.7 = 40万円 → 売上 = 40万円 ÷ 0.7 ≈ 57万円
つまり、月 57 万円の売上で 10 万円の利益が出る、ということになります。
PYTHONsales = 500000 # 売上50万円 variable_rate = 0.3 # 変動費率30% variable_cost = sales * variable_rate print(f"変動費: {variable_cost:.0f}円")
出力結果:
変動費: 150000円
このように簡単な計算で、売上に応じた変動費がすぐに把握できます。
変動費は、売上が増えるほどかかる費用ですが、売上に比例して利益が増える仕組みを理解することが大切です。
固定費と変動費を組み合わせた利益モデルを使うことで、より現実に即した経営判断が可能になります。
次回は、「売上の予測」をテーマに、来客数と客単価から月間売上をシミュレーションしていきます。
回 | タイトル | リンク |
---|---|---|
第 1 回 | カフェの収益構造 | 詳 細 |
第 2 回 | 単価と原価の分解 | 詳 細 |
第 3 回 | 固定費の重み ― 家賃・人件費・光熱費 | 詳 細 |
第 4 回 | 変動費とは? 材料費と売上の関係 | この記事 |
第 5 回 | 売上の予測 ― 来客数 × 客単価 | 詳 細 |
第 6 回 | 損益分岐点の考え方と計算 | 詳 細 |
第 7 回 | 価格設定シミュレーション | 詳 細 |
第 8 回 | キャンペーンや割引の利益影響 | 詳 細 |
第 9 回 | リピーター率と LTV(顧客生涯価値)の計算 | 詳 細 |
第 10 回 | 収益シミュレーションまとめ | 詳 細 |
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