カフェ経営における損益分岐点の意味と計算方法を解説。売上・杯数ベースでの分岐点を算出し、Python によるシミュレーション例も紹介します。
カフェ経営において、「いくら売れば利益が出るのか?」を明確に知ることは非常に重要です。
そのための指標が「損益分岐点」です。
今回は、損益分岐点の意味と求め方を具体的に解説し、安定した経営判断に役立てていきましょう。
損益分岐点とは、利益がゼロになる売上のラインです。
この売上を超えれば黒字、それ未満なら赤字になります。
損益分岐点売上 = 固定費 ÷ 限界利益率
ここでの「限界利益率」とは、売上に対する粗利益の割合を示します。
限界利益率 = 1 − 変動費率
たとえば、変動費率が 30%であれば、限界利益率は 70%です。
限界利益率 = 1 − 0.3 = 0.7 損益分岐点売上 = 30万円 ÷ 0.7 ≈ 42.86万円
つまり、月間売上が約 43 万円を超えれば黒字になります。
前回の例より、1 杯あたりの粗利益を 400 円と仮定すると:
必要販売数 = 固定費 ÷ 粗利益 = 30万円 ÷ 400円 = 750杯/月
つまり、月 750 杯以上売れば利益が出ることになります。
1 日の必要販売数(営業日 25 日換算):
750杯 ÷ 25日 = 30杯/日
PYTHONfixed_cost = 300000 variable_cost_rate = 0.3 contribution_margin = 1 - variable_cost_rate break_even_sales = fixed_cost / contribution_margin print(f"損益分岐点売上: {break_even_sales:.0f}円")
出力結果:
損益分岐点売上: 428,571円
損益分岐点を知ることで、「最低でもこれだけ売る必要がある」という目安が明確になります。
過去の売上と照らし合わせて、現実的な達成可能性を判断し、利益を出すための行動計画を立てることが可能になります。
次回は、「価格設定シミュレーション」をテーマに、値上げが収益にどう影響するかを詳しく見ていきます。
回 | タイトル | リンク |
---|---|---|
第 1 回 | カフェの収益構造 | 詳 細 |
第 2 回 | 単価と原価の分解 | 詳 細 |
第 3 回 | 固定費の重み ― 家賃・人件費・光熱費 | 詳 細 |
第 4 回 | 変動費とは? 材料費と売上の関係 | 詳 細 |
第 5 回 | 売上の予測 ― 来客数 × 客単価 | 詳 細 |
第 6 回 | 損益分岐点の考え方と計算 | この記事 |
第 7 回 | 価格設定シミュレーション | 詳 細 |
第 8 回 | キャンペーンや割引の利益影響 | 詳 細 |
第 9 回 | リピーター率と LTV(顧客生涯価値)の計算 | 詳 細 |
第 10 回 | 収益シミュレーションまとめ | 詳 細 |
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