損益分岐点の考え方と計算

個人経営カフェの収益分析

日付:2025年3月22日

カフェ経営における損益分岐点の意味と計算方法を解説。売上・杯数ベースでの分岐点を算出し、Python によるシミュレーション例も紹介します。

目 次

はじめに

カフェ経営において、「いくら売れば利益が出るのか?」を明確に知ることは非常に重要です。
そのための指標が「損益分岐点」です。
今回は、損益分岐点の意味と求め方を具体的に解説し、安定した経営判断に役立てていきましょう。

損益分岐点とは?

損益分岐点とは、利益がゼロになる売上のラインです。
この売上を超えれば黒字、それ未満なら赤字になります。

損益分岐点売上 = 固定費 ÷ 限界利益率

ここでの「限界利益率」とは、売上に対する粗利益の割合を示します。

限界利益率 = 1 − 変動費率

たとえば、変動費率が 30%であれば、限界利益率は 70%です。

具体例で計算してみる

  • 固定費:30 万円
  • 変動費率:30%
限界利益率 = 1 − 0.3 = 0.7 損益分岐点売上 = 30万円 ÷ 0.7 ≈ 42.86万円

つまり、月間売上が約 43 万円を超えれば黒字になります。

杯数ベースの損益分岐点

前回の例より、1 杯あたりの粗利益を 400 円と仮定すると:

必要販売数 = 固定費 ÷ 粗利益 = 30万円 ÷ 400円 = 750杯/月

つまり、月 750 杯以上売れば利益が出ることになります。
1 日の必要販売数(営業日 25 日換算):

750杯 ÷ 25日 = 30杯/日

Python で損益分岐点を計算(概略)

PYTHON
fixed_cost = 300000 variable_cost_rate = 0.3 contribution_margin = 1 - variable_cost_rate break_even_sales = fixed_cost / contribution_margin print(f"損益分岐点売上: {break_even_sales:.0f}円")

出力結果:

損益分岐点売上: 428,571円

まとめ

損益分岐点を知ることで、「最低でもこれだけ売る必要がある」という目安が明確になります。
過去の売上と照らし合わせて、現実的な達成可能性を判断し、利益を出すための行動計画を立てることが可能になります。

次回は、「価格設定シミュレーション」をテーマに、値上げが収益にどう影響するかを詳しく見ていきます。