周期表の一番右、18 族に並ぶ元素群――それが「希ガス(noble gases)」です。
ヘリウムやネオン、アルゴンといったこれらの元素は、きわめて安定していて反応性がほとんどありません。
今回は、希ガスがなぜそれほど安定なのか、その理由と化学的な意味を解説します。
**希ガス(noble gases)**とは、周期表の 18 族に属する元素で、以下のようなものがあります:
これらはすべて常温常圧で単原子の気体として存在し、化学反応をほとんど起こしません。
安定性の理由は、電子配置にあります。
この「最外殻電子が満たされた状態」は非常に安定であり、他の原子と結合して新たな電子配置を得る必要がないのです。
**オクテット則(octet rule)**とは、多くの原子が反応によって最外殻に 8 個の電子を持つ状態を目指すという法則です。
このように、多くの化学反応は「希ガスのような電子配置」への到達を目的としています。
かつては「希ガスは完全に不活性」と考えられていましたが、現在では一部の希ガス(特にキセノンやラドン)は、強力な酸化剤との反応で化合物を形成することがあると知られています。
例:
ただし、反応条件は極めて限定的で、常温常圧ではやはりほとんど反応しないと考えて差し支えありません。
希ガスは反応しにくいことを活かして、さまざまな場面で利用されています。
どれも「安定で他の物質と反応しない」という特性が生かされています。
次回は、化学反応式の基本的な書き方と、その意味について解説します。
回 | タイトル | リンク |
---|---|---|
第 1 回 | 周期表とは何か? | 詳 細 |
第 2 回 | 原子とは何か? | 詳 細 |
第 3 回 | 電子の動きと化学結合の基本 | 詳 細 |
第 4 回 | 化合物の種類と性質 | 詳 細 |
第 5 回 | 周期表に見られる性質の周期性 | 詳 細 |
第 6 回 | 希ガスの安定性と化学的特徴 | この記事 |
第 7 回 | 化学反応式の書き方と意味 | 詳 細 |
第 8 回 | モルと化学反応量 | 詳 細 |
第 9 回 | 酸と塩基の性質と中和反応 | 詳 細 |
第 10 回 | 化学結合と物質の状態 | 詳 細 |
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