固体・液体・気体の違いは、粒子間の結合の強さと運動の自由度によって決まる。物質の状態とその変化を、化学結合の観点からやさしく解説します。
日常生活の中で私たちは「固体・液体・気体」という 3 つの物質の状態(相)を目にしていますが、これらの状態はどのように決まるのでしょうか?
その答えは、原子・分子間の「結合の強さ」と「粒子の運動」にあります。
今回は、物質の状態の違いとそれに関わる化学的要因について解説します。
物質の状態は、主に温度と圧力によって変化しますが、その根底には 粒子間の力(分子間力) があります。
状態 | 粒子の並び | 運動性 | 体積と形 | 結合の特徴 |
---|---|---|---|---|
固体 | 規則正しく密に並ぶ | 振動のみ | 一定の形と体積 | 結合が強く粒子が動けない |
液体 | 密にあるが不規則 | 移動可能 | 一定の体積、形は容器による | 結合があるが自由度が高い |
気体 | 互いに離れて分布 | 自由に飛び回る | 体積も形も容器に従う | 結合はほぼない、運動エネルギー優位 |
物質の状態を左右するのは、粒子間に働く力の強さです。
これには主に以下の種類があります:
状態の変化(融解・蒸発・凝固・昇華など)は、粒子間の結合を壊したり再形成したりするエネルギーの出入りによって起こります。
例:
このように、物質の結合の種類とその強さを理解することで、物質の状態や性質が説明できるのです。
回 | タイトル | リンク |
---|---|---|
第 1 回 | 周期表とは何か? | 詳 細 |
第 2 回 | 原子とは何か? | 詳 細 |
第 3 回 | 電子の動きと化学結合の基本 | 詳 細 |
第 4 回 | 化合物の種類と性質 | 詳 細 |
第 5 回 | 周期表に見られる性質の周期性 | 詳 細 |
第 6 回 | 希ガスの安定性と化学的特徴 | 詳 細 |
第 7 回 | 化学反応式の書き方と意味 | 詳 細 |
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