「確率分布」とは?

確率・統計の基礎
No.587
数学

日付:2025年3月17日

本記事では、「確率分布」の基本概念や代表的な分布(二項分布、ポアソン分布、正規分布、一様分布)について丁寧に解説しています。確率分布の種類と特徴を学びたい方に最適な入門記事です。

目 次

はじめに

確率分布は、確率変数がどのような値をどのくらいの確率で取るかを示すものであり、統計学において中心的な役割を果たします。
本記事では、確率分布の基本概念から、代表的な分布の種類までを丁寧にご紹介いたします。

1. 確率分布とは

確率分布とは、「確率変数が取り得る値と、それに対応する確率の関係を表したもの」です。

  • 離散型確率変数:各値に対して確率が割り当てられる(確率質量関数)
  • 連続型確率変数:ある区間に確率が割り当てられる(確率密度関数)

確率分布を把握することで、データの全体像や傾向を理解しやすくなります。

2. 離散型確率分布の例

2.1 二項分布

  • 成功・失敗の 2 つの結果しかない試行を n 回行ったとき、成功の回数を表す分布
  • 例:コインを 10 回投げて表が出る回数

2.2 ポアソン分布

  • 単位時間内に起こる事象の回数を表す分布
  • 例:1 時間あたりの顧客の来店数、1 日に起こる地震の回数

3. 連続型確率分布の例

3.1 正規分布

  • 最も基本的で広く使われる分布。平均値を中心に左右対称の鐘型カーブ。
  • 例:身長、体重、テストの点数など

3.2 一様分布

  • ある区間内で、すべての値が等しい確率で現れる分布
  • 例:乱数の生成、一定の確率で起こる現象

4. 確率分布の可視化

確率分布は、グラフで視覚的に理解すると分かりやすくなります。

  • 離散型:棒グラフ(各値の確率)
  • 連続型:曲線グラフ(密度関数)

正規分布の例では、平均を中心とした左右対称の滑らかな曲線が描かれます。

5. 確率分布を学ぶ意義

  • データの全体像を把握できる
  • モデル化や予測の基盤となる
  • 統計的な推測や検定の前提条件になる

実社会においても、確率分布の理解は意思決定やリスク管理に役立ちます。

6. まとめ

種類分布名特徴
離散型二項分布成功回数を表すコイン投げ
離散型ポアソン分布単位時間内の回数顧客数、事故件数
連続型正規分布鐘型カーブ、平均中心身長、体重
連続型一様分布一定の確率乱数、均等分布

確率分布を理解することは、統計的な思考力を高める上で不可欠です。
今後の学習で登場するさまざまな概念や手法も、この確率分布を土台としています。